山小屋カレー


朝、家事が落ち着いてからふとテレビを付けたらちょうど始まったドキュメンタリー番組「山小屋カレー」。三重県御在所岳にある「御在所山の家」のお話です。94歳のおじいちゃんと92歳のおばあちゃんの夫婦が昭和17年からやっている山小屋。最初は「カレー」のタイトルに惹かれて見たものの、どんどんとその老夫婦の暮らしに見入ってしまいました。
山小屋の夕ご飯のカレーはおばあちゃんが作ります。ボンカレーにだしや片栗粉などを入れて。食べてみたいなあ。朝ご飯のおにぎりはおじいちゃんが作ります。
寡黙でよく働くおじいちゃんは週に一回、往復6時間かけて四日市に買い出しに行きます。駅までの長い道のりを心配そうに付いてくる、犬のコロがかわいらしい。ここ、と決めたスーパーにずっと通っておられるそう。耳はほとんど聞こえない、でも口は達者なおばあちゃんは月に一回、近くに住む娘さんと町に美容院に行ったり服を買ったりします。帰って来る時間を見計らっておじいちゃんが山小屋の途中まで迎えに来る、その光景も印象的でした。
番組の最後にはおばあちゃんはいません。二人がいた部屋におじいちゃんが一人でご飯を食べています。おばあちゃんは亡くなりました。おじいちゃんは淡々と山小屋の修理をしたり働いています。おじいちゃんの「歳をとったからといって子供に面倒を見てもらおうとは考えていない、人間は自分で動けるうちは働いていかなくてはいけない」という言葉、胸に染みました。私は仕事を先日辞めたのですが、無職なりにも家の事など手を抜かずに一生懸命やっていこう、という気持ちになりました。それだけでなく、色々な思いが沸き上がった番組でした。
http://hicbc.com/announcer/column/040701/